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 出家と恋

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 みちのくの おくゆかしくぞ 思ほゆる 壷の石ぶみ 外の浜風 (西行)

 瀬戸内寂聴さんが「革命に恋せよ」とテレビで言っていた。
 彼女は出家して尼さんになったが、そのむかし西行は23歳でお坊さんになった。理由は、白河上皇の養女で後に鳥羽天皇のお后(きさき)になる待賢門院璋子(たいけんもんいんたまこ)への失恋だ、といわれている。 

 彼女は西行より17歳も上だが、その美貌は半端ではなかった、とか。西行は上皇・法皇の院を警護する「北面の武士」で、武芸はもちろんのこと歌や学問に長けていて、体格抜群の超エリート、なにより眉目秀麗。

 彼の歌で一番多いのが花の歌。 次に多いのが恋の歌。その数300首にのぼる。17歳で「北面の武士」になり23歳で出家するまでの6年ほどの間にそれだけの歌を作った。300首の恋の歌には、それに見合った女性たちがいたのだろう。多情で色好みの西行というイメージはここから来る。

 かなわぬ恋は百も承知だが我慢できない。 が結局、世をはかなんでお坊さんになったのだが、忘れても忘れられず、捨てても捨きれず、ついに行き場のない傷心は北へと旅に出る。南や西ではなく、昔もいまもこんなときには北へ行く。

 外が浜は青森県津軽半島東部の陸奥湾沿岸を指す古来の地名。2005年に東津軽郡の蟹田町、平舘村、三厩村が合併して外ヶ浜町となった。

 璋子の命日は1145年9月10日、西行は1190年3月23日。遠い遠い日のことだ。
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by hara-yasuhisa | 2013-08-30 22:18 | Comments(0)

 紡ぐ

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  ふと野の道をゆき過ぎるトンボであったり
  山間の谷川をさらさらと流れる清流であったり
  人を愛することのさみしさであったり
  詩でしか伝えられないようなことがある
  詩にしか書けないようなことがある

  ことばが人々の泣いている心を伝え
  ことばが病んでいる世界を映しだす
  詩はその場かぎりの思想で伝えようとする
  一度だけのことばで小さな思想を
  あなたに伝えようとしている

 夕焼けの希望の空のように
 ときならぬ雨に打たれて揺れる梢のように
 詩にしか書けないような現実(いま)がある
 あなたに伝えなければならない思想がある
 ことばは明日を紡(つむ)いでゆく光だから
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by hara-yasuhisa | 2013-08-25 22:19 | Comments(1)

 ここは串本

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 この橋杭岩ごしに見る朝の陽の光は格別に美しいと、そう聞いていたのでむかし串本に泊まったときに見に行ったことがある。ほんに、絵に描いたような、そんな風情だった。

 それはさておき、ここは串本。この橋杭から大島に向かって約40ほどの岩が一列に850メートル連続してそそり立つ。直線で、まるで橋の杭のように見えるから橋杭岩。

 潮が引けば、中ほどにある島まで歩いて渡ることができる。盆を過ぎればこのように透明度はそれまでとまるで違ってくる。まるで熱帯の南太平洋かどこかのような絵だ。

 もっとも、熱帯のようになってきたが・・・。
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by hara-yasuhisa | 2013-08-22 19:59 | Comments(0)

 南紀州

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  集落にむかって一本の道が延びている

  ふと コンクリートで舗装されてない道だと気づいた

 
  
  遠くその道をトラクターがゆく
 

  数日後には刈り取りを迎えるだろう

  集落を囲む山々に抱かれて

  金色に輝く稲穂が山々の緑と対照をなす

  ふと通りすがった里

  秋の香が薫りはじめた

  南紀州
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by hara-yasuhisa | 2013-08-18 19:47 | Comments(1)

 小さな田んぼ

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 多分、1畝(せ)あるかないかの広さの田んぼ。

 こんな小さな田んぼでも機械で刈るのかと、少しおかしかった。南紀州や東紀州の各地で稲刈りが始まった。

 盆が過ぎ、辺りに一気に秋の気配が漂うようになった。こうした光景をいつまで見ることができるんだろうか。TPP許すなの想いがつのる。


 ふと、次の一節が思い出された。

 山の斜面から石を掘り出して 平らな水田をつくり
 その石を積み上げて 石垣の畦(あぜ)を築く
 おかげで水は流れ出さず 土や肥料の流出も防ぎ
 山崩れからも守られる
 日本の農地とは なんと労働の投じられた芸術品か
 日本の石垣水田の総延長は 万里の長城の比ではない
 そして 日本人が農業をやめたとき
 山は崩れ落ちる
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by hara-yasuhisa | 2013-08-18 07:38 | Comments(0)

 アリソンの挑戦

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 世界陸上。

 200Mのアリソン・フェリックス。なんせ、金メダルなら、あのカール・ルイスを抜いて史上最多の9回目の金メダルだった。50メートルほどの地点で倒れる彼女を見て、うわーっと声を上げてしまった。

 アリソン・フェリックスに注目したのは2004年のアテネ五輪だった。彼女はいつも「人間らしく走りたい。科学の力ではなく自然の力で速く走れることを証明したい」という。人間的 と 科学的 を対立させなくてもいいと思うが、まあ、さておく。

 父親のいる教会に行き聖書を勉強した10代の彼女。その頃、いじめにあって辛い思いをした経験から、「あきらめないで夢を持ってすすもう」と子どもたちに語りかける。引退後の夢は小学校の先生になること。

 多くの陸上関係者がドーピングと無縁な選手としてまず名前をあげるのが、このアリソン・フェリックス。次のオリンピックをめざすと思うが、9個目の金という史上初にぜひ挑戦してほしい。
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by hara-yasuhisa | 2013-08-17 09:54 | Comments(0)

 ときの流れを超えて

 半島の各地をまわっていると、ときに思わぬ人々に出逢うことがある。

 仮にAさんとしよう。Aさんは69歳の女性だ。とある町の日本共産党の議員に当選したのは26歳のときだったという。3歳になる長女を背負っての選挙戦だった。

 その後、Aさんは議員をやめてから党を離れた。それから40年の歳月が過ぎたが、党への思いはなにひとつ変わっていないという。

 きょう、40年のときの流れを超えてAさんは日本共産党に入党した。 「名前と住所だけなん、簡単になったねえ」と、入党用紙にペンを走らせながら感慨深げにAさんは言う。

 その母の背で選挙を体験したお嬢さんは東京に暮らしているという。僕と握手を交わしながら、Aさんは「もう歳やし、あんまり出来んで」と笑顔で言った。
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by hara-yasuhisa | 2013-08-16 14:12 | Comments(0)

 盆 カレー

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 近所の初盆のおうちで108本のろうそくを灯し、ご詠歌をあげた。

 昨今、毎年のようにご近所で初盆のうちがあり、念仏講に入っているのでこの行事は欠かせない。

 ろうそくに灯を入れるのも108本ともなればなかなか熱く、汗が吹き出る。ふと、なぜかカレーが食べたくなった。よしっ、汗をかきながらカレーを食べよう。

 というわけで、カレーを作った。カレーは簡単に作れる。そしてまた、カレーは難しい。いつもあれこれと隠し味などを使うが、きょうは基本に忠実に作ってみた。盆にカレー。





 
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by hara-yasuhisa | 2013-08-15 17:51 | Comments(0)

 波田須の道

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 波田須(はたす)駅は入江の奥の高台にあった。徐福がここ矢賀(やいか)の磯にたどり着いた頃には人家は3軒だったという。

 紀元前219年、秦の始皇帝の命令で不老不死の薬を求めて大陸から東へ向かった船団、そのリーダーが徐福。

 徐福の船団は黒潮に乗り日本の沿岸を訪れた。徐福が渡来したという伝承記録は日本全国に30以上ある。

 彼らは、製鉄、農耕、土木、捕鯨、医薬などの技術や文化を伝えた。徐福の子孫は、秦という字を「ハタ」と読み、それを名乗ったという。

 熊野市波田須は、もとは「秦住」と書き、徐福が上陸し住みついた所とされている。不老不死の薬を探すというのは表向きのことで、徐福は独裁者の国へ戻るつもりもなかった、とも。 

 新鹿(あたしか)と波田須をむすぶ熊野古道には、鎌倉時代からの苔むした古い石畳の道が竹林のなかにいまも残っている。
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by hara-yasuhisa | 2013-08-13 12:02 | Comments(2)

 新鹿の浜

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 新鹿の浜まで足を運んだ。

 マイブームなどという言い方があるが、この浜は初めて訪れたときに一目ぼれした。紀伊半島でもっとも好きな浜を3つあげよと言われたら、そのうちのひとつにこの浜をあげる。

 入り江が美しく輝いている様を見ると、むかしから釣りをしてみたい、潜ってみたいという二つの欲求にかられる。一昔前には魚影の濃い海だったに違いない。

 雑木林に覆われた山から流れ出た水にプランクトンが騒ぎ、それを目当てに魚たちが集まってきただろうなと、そんなことを考えたりする。

 秋が深まるころの新鹿にまた来ようと思う。
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by hara-yasuhisa | 2013-08-12 17:34 | Comments(0)


折ふしのうた


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