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“ 汝の夢を星につなげ ”

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 急峻な山々は人々の侵入を阻みいまでも神秘にみちている。その谷間をぬって流れる渓谷は各地に清流をたたえる川を生み、その流れの周辺に古代から絶えない人々の歴史を育んできた。この半島は美しい。

 1996年の衆院選挙以来、この16年間、ふるさと紀伊半島の隅ずみに足を運んできた。多くの人々と語り、多くのものを見てきた。日本国内をそれほど知っているわけではないが、紀伊半島は実に美しいところだと思う。

 紀伊半島の自然と深くかかわり、育ててきた人々が急速に減少している。山間に分け入ると、いまは廃屋だけになった集落にいくつも出逢う。農業や林業で成り立っていた生活が破壊されはじめてから数十年が経つ。

 人々がいなくなったあとには、手入れされずに荒れた山や、雑草が生い茂る水田がむき出しで残っている。大雨がふれば土砂災害も起きやすくなっている。野生の獣もふえつづけている。

 この半島を育ててきた農林漁業が衰退するにつれ地域経済は落ち込んだ。町や市に目を転じると、国道沿いに全国チェーンの大型スーパーや大型飲食店、大型家電店などに人々の姿が見えるが、どの町の商店街にも人はまばらだ。大型店は地元におカネを落とさない。

「農林漁業を国づくりの柱にすえ紀伊半島の活気をとり戻そう」-僕が訴えた大きな政策だが、これはまたこころからの叫びでもあった。


 選挙結果。
 民意がもっとも表れる比例代表では、「自公政権ノー」の審判が出た09年の衆院選より自民党は219万票減、公明党も94万票減らした。

 有権者は明らかに「民主がアカンから自民へ」とは動かなかった。 このことは、09年衆院選と比べて1000万人以上が棄権した事実にも表れている。この和歌山3区でも、投票に行かなかった有権者が前回比でマイナス38000人余りに上った。激動の事実だ。

 安倍総裁も開票結果を受けて「自民党に対してまだ完全に信頼が戻ったということではない。3年間の民主党政治の混乱に対してノーという結果だ」と言わざるをえなかった。国民に信任されたとはとてもいえない結果だ。

 自民党が大きな議席を得たのは、比較第1党が議席を独占するという小選挙区制のためだ。自民党は小選挙区でも前回比166万票減らし得票率は43%なのに、議席占有率は79%にもなっている。自公両党の「圧勝」は、民主党の公約破りによる “敵失” と、選挙制度に助けられた。

 日本の政治は大激動に入っている。この選挙で懇談した各界の人々の苦悩は深かった。明日が見えずに苦悩する人々に、僕は立場の違いをこえてほんとに共感を覚えた。身もだえなどという言葉は当たらない。紀伊半島はいま慟哭している。

 それはしかし、新たにやってくる時代への準備であれと願う。この苦悩を乗りこえてふるさとが蘇るようにと、懇談させてもらった多くの人々のことをいま考える。


 座右の銘はと、ある新聞のアンケートで尋ねられて、“ 汝の夢を星につなげ ” と書いた。その数日前に立候補者への各社共同インタビューがあり、「そんなものはないんです」と答えると、産経新聞の記者さんに「なにか考えてよ」といわれ、それで思いついたのがこの言葉だった。

 志し高く生きよう、という意味だ。僕の共産党員としての志とは、社会と人類の進歩に貢献するということにつきる。これは19歳のときに共産党員となった初心でもある。選挙戦にもこの想いを抱いて挑んだ。ご協力いただいた方々にこころからお礼を申しあげます。       
                                                      2012年12月19日

 ( 写真は、小学校の址 )
by hara-yasuhisa | 2012-12-19 09:25


折ふしのうた


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