ドクトル・ジバゴ

映画「ドクトル・ジバゴ」の冒頭のシーンは、大地を吹きぬける風が木々の葉をゆらしている。作者のパステルナークの「風」という詩。
ぼくは終わってしまったがきみは生きている
そして風は嘆き泣きながら森と別荘をゆすっている
一本一本の松ではなく
果てしない遠方から続くすべての木々をゆする
静かな入り江に浮かぶヨットというヨットをゆらすように
だがそれは怒りからではなく
強さを見せつけるためでもない
悲しみのなかできみに子守歌の言葉を見つけたいのだ
ジバゴ に扮したオマー・シャリフの死が伝えられた。二十歳代のある日、この映画を見た。詩作するあの彼の目の輝き、ラーラを演じた透きとおるような青い目のジュリー・クリスティ、悪徳弁護士でラーラの青春を汚したコマロフスキー役のロッド・スタイガー、それから“ラーラのテーマ”のメロディ。
パステルナークが描いたもの。ロシアの大地と自然のなかで生き、愛し、自分に与えられた使命や、生きることの意味、そして戦争の愚かさ、平和を願う詩人のこころ、胸躍らせて食い入るように映画を見、涙を流した。
バラライカを肩にかけるトーニャのラストシーンは、若いぼくの胸をしめつけたものだった。
by hara-yasuhisa
| 2015-07-13 22:16
折ふしのうた
by hara-yasuhisa
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